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応援団やサムライうさぎについて。あとはアニメ三国演義の歪曲感想とか。

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菊地もお手紙を書く気になったようです。(ローダンセの手紙参照)

 杉田さんからアドバイスをもらって、ぼくの思いを伝えるためにお手紙を書くことにしました。
 いつもイジワルな杉田さんですが、たまにはいいことを言うなあと思いました。これからは、もっと尊敬したいと思います。
 あ、もちろん一番尊敬しているのは西園寺さんですよ!
 始めて会ったときから、ずっと好き尊敬しています。ぼくの心は西園寺さんでいっぱいです。寝ても覚めても西園寺さんのことばかり考えています。現実の世界でも夢の中でも、西園寺さんはあいかわらず素敵です。男らしくてかっこいいです。
 だから西園寺さんのマンションに遊び行かせてください。
 いえ、お泊まりさせてください。お願いします。
 本当は西園寺さんの服を借りたいところですが、ちゃんと自分のパジャマは持って行きます。失礼のないように新しいパジャマにします。でも下着は貸してください。
 なんてウソですよ。えへへ。
 やましい思いなんて、これっぽちもありませんから安心してください。一晩中西園寺さんの寝顔を見ていたいだけです。だから、ぼくの布団の心配はしないでください。一緒のお布団で添い寝のかたちで、まったくもって構いませんから。
 本当に見るだけですよ。そこは団長に誓ってもいいです。

 ということは団長のお許しがあれば、さわってもいいということになりますね。だから今度団長に聞いてみます。
 なんだかドキドキして来ました。なんて言うのでしょうね。新しいことが始まる予感みたいな。ぼくの胸のときめきを西園寺さんに聞いてほしいです。
 大丈夫ですよ! ぼくなら恥ずかしくないですから。遠慮しないでください。いつでもぼくの胸に飛び込んで来てください。24時間365日お待ちしています。

追伸
 本当に何もしませんから安心してください。西園寺さんの嫌がることは、という意味で。


菊地新太



「……菊地からこのような手紙をもらったのだが」
 杉田は西園寺からピンク色の手紙を受け取って視線を落とした。そして始めの辺りで鋭い舌打ちをしたのだが、全体に目を通したあとで西園寺へ手紙を返した。
「だから?」
「意味が分かりかねる」
「理解しようとするな。心で感じるといい」
「精神論を聞かされても困る。おれは修行をしているわけではない」
 西園寺の表情は若干やつれていた。杉田は慰めるように西園寺の肩を叩いた。

「ひとついい方法を西園寺に教えよう。始めは難しいとは思うが、力は抜いた方がいい」
「何のアドバイス?」

「しばらくは違和感が残るが、そのうち慣れる。思ったより悪くないから」
「何の経験談?」

「健闘を祈る」
「もっと別に祈ることがあるよな?」

「菊地はああ見えて案外力が強い。西園寺もリーダーとしての根性を見せてやれ」
「何の場面で?」

「では教えておいたからな」
「知ったところで、安心出来る要素が何ひとつないのだが」

「それから菊地にも西園寺のマンションを教えておいたから」
「楽しそうだな、杉田」

「そういえば、さっき菊地が団長のところでお願いしてたぞ」
「……ものすごく不安だが、とりあえず聞いておこうか」

「西園寺さんをぼくにください、だそうだ」
「……」

 西園寺は目眩を起こした。しかし力強い腕に抱かれ、困惑の色に塗りつぶされた顔を上げた。
 そこには。
「団長からお許しが出ました」
 望み通り胸に飛び込んで来た西園寺を抱き、輝かんばかりの笑顔で菊地が立っていた。
 飛んで火に入る何とやらだな。杉田はそう思った。
「さあ、行きましょう。西園寺さんの部屋へ行きましょう! 今すぐッ! ナーウ!」
「ホ、ホワーイ?」
 なにゆえここだけ英語なのか。それはそうと菊地は西園寺を引きずり始めた。まるで警察に連行されているような西園寺が、悲痛な叫び声を上げた。
「どうしてですか、団長!」
「ほら西園寺。リラックス、リラックス」
 朗らかな笑みを浮かべ、杉田はふたりを見送った。

 そのころ団長室では。
「よろしいのですか? 菊地にあんなことを言って」
 森山は、菊地が勢い良く出ていったドアを茫然と見つめて訊ねた。
「あれでいい」
 鬼龍院は深くうなずいて返した。だが森山には西園寺が一体どうなってしまうのか。その姿が脳裏にありありと浮かんでいた。
「いいか、森山。世界はそれを愛と呼ぶのだぞ」
 鬼龍院は慈愛に満ちた表情で目を細めた。
「ですよねー」
 あっさりと返して、森山は今日の晩御飯を何しにようかと考え始めた。杉田は好き嫌いが多いから、ちゃんと栄養を摂らせるのが大変なのだ。
 もう西園寺のことなど、頭から消えていた。胸の片隅にも、どこにもない。
 要はどうでもいいらしい。

 めでたし、めでたし。
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