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応援団やサムライうさぎについて。あとはアニメ三国演義の歪曲感想とか。

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 いやー、清木様祭りも今回で最終日。ひとりで走り続けたぜ。最後は清木様のお仕事にズームイン。

 周知の事実でございますが、清木様は御目付役です。幕府の要職ですわね。若年寄り支配で、江戸城内の様々な儀式を担当して、旗本や御家人を監視するのがお仕事です。
 でも「お前が一番監視が必要だろう」という声が聞こえてきそうなのは、何でなんだぜ? まあ、じかに政務にたずさわらないけど、配下に色々と従えているので権力はあるんですよ。あと武士に切腹を通告して最後まで見届けるのも、目付(か切腹する人の身分が高ければ大目付)の仕事だったんだってサ。仕事が多岐に渡ってんだね。

 そんな清木様ですが、優秀であることは確かだと思います。手元にある本をぱらぱらめくってみると、
「目付役はおおよそ両番家筋の旗本の中から、特に優秀な者が抜擢される。番入りした旗本が徒頭・小十人頭・使番に進み、目付役になるのが最高のエリートコース」とありますから。そして、この後も奉行になるとか昇進の道が開けているわけです。ああ見えて、デキる男じゃないか。色んな意味でキレてるね! でも清木様が御奉行様なんて恐ろしいな……。大岡裁きとは逆の言葉が生まれそうだよ。
 ちなみに両番とは書院番と小姓組番を合わせた呼び方です。そこに大番、新番、小十人組を足した五つを総称して五番方と呼び、これが将軍直属の軍事組織にあたります。
 それで先程の両番は、将軍の親衛隊的な役割なので、ここに所属するには家の格式が高いか、親が幕府の高官であるとかじゃないと無理なのだそうです。そう考えると清木様は優秀なだけではなく、家柄も良いサラブレッドなんだね。ただ幕末になると、幕府直轄の学校の試験を優秀な成績で及第した者が、任じられることもあったみたい。
 
 ここまで紹介しておいて何ですが、マチカさんは清木様の設定としては、名家の生え抜きよりは、こちらの叩き上げコースを推したいなあ。陽気な性格の鰐ぶっさんと、ギスギスした清木様だから、鰐ぶっさんが家格の高いお坊っちゃん育ちで、清木様は苦労人とかだったら想像が膨らむナー。
 
 そして両番が将軍の親衛隊なら、大番は戦時には先鋒として出陣する軍の主軸です。だから軍事政権である幕府の中にあって、大番トップの大番頭は格式が高い。だから目付役の清木様よりも、大番頭の鰐ぶっさんはかなり偉いんですよ。ホント偉い。大目付より偉い。
 だって鰐ぶっさん5000石で清木様1000石。鰐ぶっさんは都の朝廷から官位をもらえて徒五位下の諸大夫で、清木様は幕府限りの序列である六位相当の布衣。でも清木様は鰐ぶっさんに対して態度悪い。だから口の利き方を教えてやった方がいいよ! 当然性的な意味で。

 話を清木様のお仕事に戻します。再び手元にある本で目付役に関する部分をあさっていると、面白い記述がありましたよ。その中からふたつ紹介して終わります。

 ひとつめ。
 登城した当番目付に限っては、目付部屋の下部屋(休憩したり着替えたりする部屋)にあるお風呂に毎日入って良いのだそうですよ。これは、いつ将軍様からお召しがあるか分からないので、身綺麗にしておくためなんだとか。
 でも清木様は将軍のためだけに、お風呂に入るわけではない思います。むしろ、いつ鰐ぶっさんからお誘いが来るか分からないので、それに備えていたい気持ちの方が大きいに違いないのです。奇麗な身体で抱かれたい、という清木様の女心ですね。
 分かります。
 でも清木様自身は、鰐ぶっさんの汗の匂いが好きなんですよね。
 分かります。

 ふたつめ。
 目付役は非常に忙しいお勤めで、職務の性質上気の休まる時がない。殿中を歩き回り、絶えず監視の目を光らせているのです。それに通常は、限られた人間としか会話出来ない。こんな毎日は、息がつまりますよね。
 でも一年に一度、大晦日だけはハメを外すのだそうです。
 何をするのかというと、先に帰る老中や若年寄りを玄関近くまで見送って、彼等の背中が見えなくなった瞬間に、目付役達は長い廊下を一斉に猛ダッシュ。それで誰が一番先にゴールするか競争するんだってサ。その後は中庭に飛び出て、地面に転がる石や木の苗を拾ってキャッキャッと遊ぶのだとか。さすがに若い目付役ぐらいしか、参加してなかったみたいですけどね。
 ……まぁ、これが面白いのかどうか、現代人の感覚では良く分かりませんが、とにかく窮屈な職務から解放された、という気分だけで、無性に楽しいのかもしれませんね。
 絶対に清木様は、この遊びに参加しなさそうだけど、もし……と想像してみると、お腹がよじれるぐらい笑えてくる。あの仏頂面が廊下をはしゃいで走り回って、庭では小石を拾って無邪気に遊ぶだなんて。それで夢中になって子供みたいな姿を見かけた鰐ぶっさんが、
「随分と楽しそうだな、清木」
 とニヤニヤしながら声を掛けられたりして。すると清木様は一瞬慌てるものの、背筋を伸ばして咳払いを返すのサ。そして「これは付き合いで仕方なく……」とか言い訳するんですね。
 分かります。

 というワケで、資料から拾ってみた目付役のお仕事特集でした。お祭りも終わり。さて、次は清木様のお話でも書こうかね。鰐ぶっさんと、どんな会話してもらおうかな。
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