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応援団やサムライうさぎについて。あとはアニメ三国演義の歪曲感想とか。

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前回の記事を後から読み直すと、作品の感想ではなく、合田と加納のことしか書いていない件について。びっくりですよ、もう。
 いや、一回しか読んでないので、ちゃんと読んでいるかというと、起訴状のあたりは正直読み飛ばしている次第。てへ。

 まず、本の帯に「一家四人殺し」とあるので、冒頭から登場する少女の「歩」が、「ああ、この子死んじゃうんだなあ」と思いながらも読み進めるのが、初っ端からつらい。
 歩の親は両方とも歯科医で、コンビニのように乱立する今時の歯科医院ではなく、先代から続く地元の名家で、閑静な住宅地に瀟酒な居を構えている。
 歩は大学の付属小学校から中学へ進み、年の離れた弟も歩の母校である付属小学校へ入学した一年生。数学の得意な、聡明で早熟で、すこし冷めたところがある。だからクソ生意気かというと、そうではなく、とてもいい子だ。忙しい両親を困らせるようなことはせず、すこしでも負担にならないように振る舞っている。
 そんなよくある(マチカさんの周囲にはいないけど)しあわせなエリート家庭が、クリスマスを前にして、惨殺されてしまう。

 一方の犯人は、携帯の闇サイトで出会ったふたりの男。ひとりは刑務所を出たり入ったりで、人生の半分を刑務所で過ごした男の戸田。子供の頃にはすでに両親から見放され、愛を知らず、孤独と歯痛が戸田という人間を形成している。
 この戸田の歯痛の描写が、まあヒドイ。親知らずを悪くして、炎症を起こし、膿みが溢れるような状態。「顔が半分もげそうに痛い」のだそう。マチカさんも親知らずに爆弾を抱えているので、あそこまでひどくないにしても、痛さが想像できるだけにゾクゾクしてしまう。歯が痛くて口を閉じることが出来ずに、よだれが垂れてくるって、これマジですからね。
 起きているうちは常に口を半開きの状態でいられるけど、寝入ったときにカチっと口を閉じでしまい親知らずに刺激が伝わったのか、激痛で飛び起きるはめになる。だから寝る時は前歯に何かくわえて布団に入る、という自分で編み出した予防策をとらねばならない。
 もちろん起きているあいだも痛いもんだから、仕事中も上の空ですよ。でも、じっとしていても痛い。結局、何をしていても痛い。ずっと痛みに支配され続ける。高村さんも、親知らずをこじらせたことがあるのかな。歯痛に関する描写が、何もかも真に迫っている。
 親の愛を知らない戸田を支配する親知らずの痛みとか、なかなか頓知がきいていますな多分違う。育児放棄された子供って歯がボロボロの子が多いから、そこから生まれた設定なんでしょうかね。

 そんで、もうひとりの犯人である井上。こちらは親から躁鬱の気をもらっている。こちらの両親は井上が小さいうちに覚せい剤でパクられ、収監されてしまい、田舎の祖母の家で育つ。まっとうな家庭環境ではなかったものの、そもそもがサイコパスというやつなんでしょうか。
 知能は低くないから、一見、魅力的な人物ではあるけど、他者に共感する能力が圧倒的に欠けている。しでかしたことに反省しろ、といわれても、相手の気持ちになって考える能力がないものだから罪悪感もないのでできない。
 警察に捕まった井上の「後悔はするけど、やっぱり反省はできない」みたいな台詞から、そうなのかなあと。

 長くなるから、また今後。
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