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応援団やサムライうさぎについて。あとはアニメ三国演義の歪曲感想とか。

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(今週のあらすじ)

 甘露寺へ向かう劉備。その一行を迎える孫権は「ワラジ売りの倅が皇族気取りか」と軽蔑したようにつぶやく。かたわらで家臣の呂範と賈華が「暗殺の手はずは整っています」と伝えた。

 待ち構えていた呉太国は劉備と面会すると、堂々とした威風を一目で気に入り、婿にすると認めたものだから孫権は驚く。しかし母親には逆らえず従うしかなかった。

 そのころ趙雲は甘露寺を巡回していたのだが、ある一室に武器を帯びた兵士が潜んでいるのを見つけ、劉備に耳打ちした。

 劉備は呉太国へ「わたしを殺すつもりなら、今すぐここで殺してください」とひざまずいて言った。呉太国がどういうことだと訊ねると、劉備は趙雲の見た光景を伝えた。呉太国は激怒して「わたしの息子になる劉備を暗殺するとは何事だ」と孫権を罵った。孫権は知らぬ振りをして呂範に聞いてくれと答え、呂範は賈華に責任をなすりつけた。呉太国は賈華を斬れと命じた。賈華は処刑されそうになったのだが、劉備が呉太国に助命を嘆願した。「めでたい席での殺生は不吉です。それではお側にいられなくなります」と言う劉備を呉太国はますます気に入った。そして劉備を守るため、自分の屋敷へ住まわせると決めてしまったので、孫権は手も足も出なくなった。

 さて婚礼の夜、花嫁の部屋へおもむく劉備。しかし侍従の女達はみな武器を手にしていた。劉備が驚いてると侍従の女は「姫さまは幼い頃から剛胆なかたなので、私たちも武装してるのです」と言った。さすがに落ち着かない劉備。それを見た花嫁である玉錦は「ずっと戦いのなかにいた人なのに武器が怖いのかしら」と笑って侍従達を下がらせた。劉備は「戦いのなかにいたからこそ、怖いのではなく嫌いなのです」といって、天下を泰平に導くこころざしを語った。

 それからの日々、劉備と玉錦は仲睦まじく暮らした。困った孫権が周瑜に相談の密書を送ると新しい計略が返って来た。それは劉備に贅沢な暮らしをさせ、呉に留まらせ、関羽や張飛との関係を裂き、諸葛亮と交わした約束を忘れさせ、そのあいだに荊州を攻めとるというものだった。孫権が周瑜の言う通りにすると、劉備はすっかり贅沢に溺れ、趙雲が会いにきても顔を合わせなくなり季節も変わってしまった。

 悩んだ趙雲は孔明に渡されたふたつめの袋を開けた。内容を見た趙雲は劉備に火急の用があると言って面会を求め「曹操が荊州を攻めにきた」と伝え、すぐ戻るように頼んだ。
 劉備は我に返って玉錦と相談した。すると玉錦は気丈にも、夫婦になったのだから兄の孫権や母親を捨てでも一緒に行くと言った。
 劉備と玉錦は孫権の隙を狙って出発した。逃避行を知った孫権はすぐ追っ手を差し向けた。周瑜もあらかじめ逃走を見越しており兵士を待機させていた。
 両方から挟み撃ちにされた劉備一行。進退窮まった趙雲は最後の袋を開けた。内容を確認した劉備は追っ手の対処を玉錦に頼んだ。

 胆の座った玉錦は兵士達の前へ行くと、自らの威光をもって彼らを退けた。しかし追っ手は途切れない。別の一隊に足止めされてしまうと、またしても玉錦が前へ進み出て「母上の呉太国には許しを得ている。道をあけろ」と厳しく申し付けた。

 兵士達は顔を見合わせた。もし連れ帰っても、後になってこれが呉太国の指図だったと孫権が知れば、自分たちが間違っていたことにされてしまう。見逃したほうが得策だろうと彼らは道をあけた。
 そこへしばらくして別の追っ手がやって来て、見逃したと知ると慌てた。彼らは孫権から「劉備と妹の首を斬ってでも止めろ」と言われていたのだ。そこで周瑜に報告し、陸路と水路両方から劉備一行を追うことにした。

 劉備がようやく長江までたどり着いたとき、船団が川を渡ってくるのが見えた。船上に孔明の姿もあった。孔明が船をやって迎えにきたのだ。劉備は玉錦を連れ船に乗り込み難を逃れた。

 孔明と対面した劉備は贅沢な生活に溺れた自分を詫びた。すると孔明も謝ることがあると笑った。実は曹操が荊州を攻めにきたというのは、劉備の目を覚ませる口実だったのだと言う。ふたりが笑い合っていると、周瑜の水軍が迫って来ている、としらせが入った。孔明は船を捨て陸路を取れと指示を出す。

 陸に上がっても周瑜は追ってくる。あと少しで追いつかれそうになったとき、関羽があらわれ睨みを利かせた。劉備軍の傘下に入った黄忠と魏延も一緒に兵を率いている。かなわないと判断した周瑜は引き返したのだが、孔明にしてやられたことに激怒し再び血を吐いて倒れてしまった。

以上を踏まえてどこまで噓か分からないレビュー


・またオカンに叱られる孫権
 一発で劉備が気に入った呉太国。劉備は老人転がしだ。

 うそーん

 最悪の展開ですが孫権はオカンが怖いので逆らえない。やけ酒をあおっていると、暗殺してやろうという目論みすらバレてしまう。そこでとった作戦が、孫権名物いさぎよい責任転嫁だった。
「えー、なんのこと? 呂範に聞いてみて」
 いきなりのパスに度肝を抜かれた呂範。受け取ったボールを全力で賈華へ投げつけた。賈華が必死でボールを渡す相手を探すも、みんな視線をそらす。そこへ呉太国の死刑宣告。でも劉備がウマいこと言って、自分のお株を上げつつ処刑を止めさせた。ホンマ食えん男やでえ。


・おうちに帰りたくない劉備
 贅沢な暮らしで骨抜き状態の劉備。「髀肉の嘆」は遠い昔。「いざ行かん、民のために!」とか、ちょっとハリキリすぎだったかなーとばかりに浮かれた毎日を過ごす。おもてなしのなかでも、極めつけは孫権のオトンが連れて帰った(異民族の?)踊り子さんのダンスだ。

 おっぱいダンサー最高!

 地味に甘寧もおっぱいダンス見に来てました。そら見逃せんわな。文官のジイサン達も「若返るわー」と楽しそう。おっぱいダンス見てるときの、みんなはすごくいい顔だ。おっぱいの力すごい。おっぱいで天下統一できるんじゃないのか。劉備なんて趙雲が会いにきても「そんなことよりおっぱいダンスだ!」と面会を断ってしまうぐらいだ。でも趙雲もおっぱいダンスだけは影から見てたと思う。そして甘寧かっこいい。


・「そういえば、もう年末じゃね?」と思う趙雲

 趙雲のめずらしい平服姿

 いくらなんでも地味すぎないか。もっといい服着させてあげて。贅沢したり華美なものには興味がない、という生真面目さの表現なんだろうか。でもおっぱいダンスは見てたと思う。
 そうそう。演義でこのあたりの描写がおもしろいので、大雑把に引用します。

 ──却説、趙雲は五百の兵と東屋敷の前に駐屯していたが、(劉備があんな調子なので)一日中することもなく、城外に出て弓を射たり馬で走っているだけだった。みるみるうち年末になり、ハッと気がついた。
「そういえばアノ先生に袋三個渡されてたけど、南徐についたら一個開けて、年末が来たらもう一個、それで超緊急事態になったら最後の一個開けれって言われてたじゃん。よーし、開けてみよう。遊びほうける劉備さまをなんとかしてくれるアドバイスが入ってるに違いない」

 趙雲かわいくないですか? 劉備と一緒になって享楽にふけるわけでもなく、かといって無視されてふて腐れるわけでもなく、毎日を黙々と過ごしてた様子が伝わって来ますね。「ハッと気がついた」とか、じゃあ忘れてたのかよと言いたくなる天然ぶりだ。
 きっと張飛なら飲んだくれてた。関羽だったら何してただろ。たぶん劉備にキレそうになりながらも言い出せないものだから、呉の連中に八つ当たりして諍いを起こしてただろう。そう考えると孔明さま、ナイス人選。

・袋の中身を見て劉備のところへ行く趙雲
「劉備さま。緊急事態ですよー。エマージェンシー!」
「今は夜だぞ。こんな時間になんだ。これから玉錦とオールナイトでフィーバーするんだから」
「殿は荊州のこと忘れちゃったんですか!」
「やっぱ若い娘はええわ。肌のハリが違うもん。はね返るような弾力があるもん」
「わたしには以前、未亡人をすすめてきたくせに、殿だけズルイですよ!」
「未亡人でも美人だったじゃないか。揉まれてこなれたパイオーツもいいもんだろ」
「美人でも中古はイヤでござる」(キリッ
「趙雲、まさかの処女厨か」
「そんなことより緊急事態ですってば」
「明日にしろ、明日」
「先生からのおしらせなのに、いいんですか? どうなっても知りませんよ」
「こ、孔明から?」
 鬼の形相で睨まれた思い出がよみがえる劉備。風邪を引いたかのような悪寒が背筋を這い回る。劉備は居住まいを正して趙雲の話を聞くことにした。


・かけおち劉備&玉錦
 いきなり余談ですが、曹操と陳宮(※オッサン)もかなり初期の頃かけおちしてましたね。一緒のおふとんで寝たり、仲睦まじかった。でも残念ながら蜜月は長く続かなかった。曹操がいつものウッカリで、親戚宅にて一家惨殺事件を起こしたため、陳宮は「ありえん」と言い残して去ってしまったのです。
 ずっと未練のあった曹操。とっくに吹っ切っていた陳宮。そんな陳宮の最期を泣きながら見送った曹操の失恋物語。曹操は惚れっぽいので失恋も多いのだ。

 さてさて逃げる劉備。追う孫権一味。これはヤバいと思った劉備は「どうしようか?」と趙雲に訊ねます。趙雲は「わたしがしんがりをつとめますから先を急いでください」と頼もしい。しかし、ついに追っ手が背後に迫り、前方には周瑜があらかじめ差し向けておいた軍勢が待ち構えている。
 これは詰んだな、と劉備。もうおしまいかしらん、と趙雲に訊ねると「ご安心ください。先生からもらった袋が、ひとつ残っています!」
 ウキウキと袋を開けようとする趙雲。だが濃い眉をひそめて躊躇した。
「よくよく考えてみたんですけどね。こんな時こそ嫌がらせをするのがアノ先生じゃないでしょうか。一度目二度目で安心させておいて三度めで落とす。三段オチというか、ホップステップ玉砕狙いのような気がします。怪しいなあ。これ超怪しいですよ」
「だから大丈夫だって言ってるだろ。早くしないと、兜のフサフサ引きちぎるぞ」
「なんで劉備さまも先生も、このフサフサを虐待しようとするんですか。もしかしてフサフサにムカついてんですか? どうしてフサフサを憎むんですか? 風になびくフサフサはかっこいい武将のマストアイテムですよ!」
「フサフサ、フサフサ、しつこいわ! 自分でも正式名称が分からんもの付けるな。そんなことより、頼むから袋を開けてくれ」
「分かりましたよゥ。でもやだなー。死んだイナゴとか入ってんじゃないかなー」
 しぶしぶ開封した趙雲。さいわいにも普通にピンチを切り抜けるアドバイスが入ってました。内容を読んだ劉備は「まかせておけ」と頼もしく言って玉錦の前へ行きました。そしてさめざめと涙を流しながら訴えたのです。
「孫権の追っ手がわたしを殺そうとしている。わたしは今まで胸に秘めて言わなかったことがあるが、こんな状況になって言わないわけにはいかなくなった。聞いてくれるか?」
「なんですか? どうぞおっしゃってください」
「孫権どのと周瑜どのが共謀して玉錦をわたしに嫁がせたのは、玉錦を思ってのことではなく、わたしを幽閉して荊州を奪い取ろうとするためだった。奪ったあとは、わたしを殺すつもりだろう。それでもわたしが死を恐れず呉へやって来たのは、玉錦に男子のような度量があり、わたしを救ってくれるに違いないと思ったからだ。実際、玉錦はわたしを見捨てなかった。のみならず、こんなわたしを愛してくれた。玉錦と出会ってからの日々は、戦乱に身を置いていたわたしにとって、はじめての平穏で安らかなものだった。しあわせとは、こういうものなのかと教えてれくたのは玉錦、キミだ。逃亡するに至っても、玉錦は機転を働かせ一緒に来てくれた。今、玉錦以外にこのピンチを切り抜けられる人はいない。どうだろう。やってくれるだろうか? もし無理だと言うのなら、わたしは玉錦の命だけでも救うためここで死のうと思う。志なかばで死ぬのはつらい。だが、キミと過ごした愛しき日々の思い出が、わたしにはある……ああ、玉錦。愛しているよ。今までありがとう」
 哀愁を漂わせ、女性の庇護欲をくすぐり、愛を臆面もなく語る。奥義「オレにはキミだけなんだ!」を発動させれば、十代の小娘などイチコロです。年寄りも娘もコロがす劉備。人たらしの本領発揮だ。
 コロがされた玉錦は「兄上なんてもう肉親でもなんでもないわ。わたしに任せて!」と宣言。そう言った割には「アタシを誰だと思ってんのよ。あんたらのトップの妹よ?」と権威を振りかざして追い払った。
 でも一難去ってまた一難。次なる追っ手がやって来ました。劉備が「どうしよう」と(わざとらしく)弱り切った姿を見せると、玉錦は「わたしがしんがりを務めます」。劉備はこれさいわいと「じゃあ、先に長江へ行ってるからねー」と、なんと玉錦に任せて先に行ってしまった(一応趙雲が随行するけど)。さすが逃げ足の早さには定評がある劉備です。今までも妻子を置いて逃げた実績がありますから、こういう時に「いや、おまえを置いて行けるものか!」なんて躊躇しません。自分が死んだらおしまいですからね。
 ノリノリの玉錦は追っ手と対峙して言います。
「母上がいいって言ってんだから、アンタ達には関係ないでしょ。ほっといてちょうだい」と、やっぱり権威を振りかざす。その言葉を聞いた追っ手は考えます。オカンの了解は得ているとなると、それをあとで知った孫権はオカンが怖いものだから「ぼくは連れ戻せとか言ってませんよ。あいつらが勝手にやったんじゃないですか?」と、例のいさぎよい責任転嫁をするかもしれない。というわけで追っ手は引き返してしまった。孫権の自業自得。


・船で劉備を迎えにきた孔明さま
「あの計略はうまくいったかなあ」
 船上で考える孔明さま。岸が近づくにつれ劉備と趙雲の姿も見えて来た。
「うわあ。劉備さまー! 子竜ちゃーん!」
 久しぶりに会えた喜びで懸命に手を振る孔明さま。しかしぴたりと手を止めて口を歪めた。
「……あの女。一緒について来れたんだ。運がいいねえ」
 劉備の逃走に玉錦を捨て駒として利用する。それが孔明さまの立てた計略だった。劉備を無事生還させ嫁は途中で脱落させるという、一石二鳥を狙ったのだが、想像以上に玉錦はうまく立ち回ったようで劉備とここまで逃げて来てしまった。
「なかなか手強いね。まあいっか。彼女の天命が尽きてないということは、まだ何か使い道があるってことでしょ」

「そのときはヨロシクね」

 孔明さはまドス黒く笑いました。


・合流する孔明さまと劉備
 そこで玉錦と孔明さまは初顔合わせ。女の勘なのか、玉錦はまっさきに孔明さまのことを劉備に訊ねます。
「こちらの背丈だけは立派な優男はどなたですの?」
「玉錦は諸葛瑾先生をご存知かな?」
「ええ。兄上のお気に入りですから」
「彼は諸葛先生の弟の亮だ」
「まあ。そうでしたの。お噂はうかがっております。ご兄弟で優秀ですのね」

「わたくし玉錦と申します」

 微笑む玉錦に、孔明さまも軽く会釈を返します。
「ぼく孔明です。こんにちは、タマキンさん」
「ギョクキンよ!」
「へえ。タマキンさんは孫権さまと違って目が青くないんだね」
「だからギョクキンだって言ってるでしょ! どんだけ性格悪いのよ」
「この人怖いね、劉備さま。あっちでお茶でも飲もうよ」
 早速煽りまくる孔明さま。先が思いやられる劉備でした。


・迫り来る周瑜の軍勢
 水路から陸路へ切り替え逃げる劉備一行。いきりたつ周瑜は猛然と追い上げる。追いつかれる寸前、丘に人影があらわれ、両軍勢を見下ろした。赤兎馬にまたがり、緑の戦袍をまとい、青龍偃月刀を軽々と担いだ、その人こそ関羽。

 お得意のドヤ顔

「おいっすー」
 不敵に笑う関羽に気付いた周瑜は慌てふためき、手綱を引いて馬を止めた。劉備も頼もしそうに関羽を見上げて言った。
「孔明が呼んでくれたのか?」
「うん。ちゃんと仲良くしてたんだから」
「ふたりが喧嘩をするのではないかと心配していたが杞憂だったな。よかったよかった」
「……うふふ」
 劉備が新しい妻を迎えると知って嫉妬の炎を燃やしたのは、孔明さまだけではありません。新しい寝間着まで用意して添い寝の準備を整えていたのは関羽も一緒だったのです。

 ──数ヶ月前
 関羽のもとを訪れた孔明さまは劉備が結婚すると伝えました。
「あ、兄上が結婚?」
 赤い花柄の寝間着を試着していた関羽は愕然とした。孔明さまは羽扇の羽を噛みながら涙目です。
「そうだよ。周瑜のせいで。どう思う?」
「よ、よろこばしいことじゃないか。いやあ、めでたい」
「うそばっかり。おヒゲがピクピクしてるじゃん」
「おまえこそ額に血管が浮かんでるぞ」
「ていうか、何その寝間着。全ッ然似合ってないんだけど。気持ちワル」
「おまえがさっさと周瑜に犯されていれば、こんなことにはならなかったんだ! 今からでも遅くない。すぐ犯されて来い。なんなら俺が縛り上げて周瑜に差し出そうじゃないか」
「やだよゥ。周瑜はああ見えて変態なんだもん。この前間者の話聞いてドン引きしたもん」
「変態じゃなかったら構わないのか?」
「だめだめ。ぼくのモチ肌は劉備さまだけのもの」
「俺はヒゲの一本まで兄上のものだ!」
「……はあ、虚しい」
「そうだな……」
 ふたりは愚痴をこぼし合い意気投合したのでした。

 そんなやり取りがあって、場面は元に戻ります。
「周瑜……(余計なことをしやがって)絶対に許さんぞ!」
 関羽の一喝で空気がビリビリと震えるようだった。
「むう。さすが関羽どの。ものすごい気迫だな」
 側で見ていた老将黄忠は関羽の胸中などつゆ知らず、感嘆の声をもらした。その横には何の前触れもなく登場した魏延。
「すごいッスね」
 そう言ってヒゲをしごく魏延が見つめているのは孔明さまだった。数ヶ月前のことを思い出せば、今でもムカついて仕方ない。
 魏延は劉備とともに戦いたいと願っていた。しかし機会に恵まれず、黄忠と長沙の韓玄に仕えていた。その長沙を攻めにきたのが関羽だった。
 猜疑心の強い韓玄は関羽と黄忠が内通しているのではないかと妄念を抱き、黄忠を処刑しようとした。そこで魏延は立ち上がった。
 こんなバカな主に仕えて何になる。しかも攻めて来ているのは劉備軍だ。手柄を立て傘下に入る好機じゃないか。魏延は謀反を起こし、韓玄を斬り、黄忠を救うと劉備に帰順した。ようやく劉備にお目見えし、誇らしい気持ちの魏延だったが、あの男が信じられないことを言ったのだ。

 ──ねえ、劉備さま。黄忠はいるけど魏延いらない。首斬って。

 何が魏延には反骨の相があるから、いずれ災いを起こす、だ。どう考えても言いがかりだ。劉備が取りなしてくれたから、よかったようなものの、平然と首を斬れと言ったアイツの顔が忘れられない。
 なんで、あんな奴が劉備の側にいる。
 ふざけるな。今に見てろ。
 孔明さまを見つめる魏延の瞳に暗い情熱が揺らめきました。


・吐血と気絶の会わせ技の周瑜

 俺の生き様よう見とけー!

 来週で出演シーンがなくなるので、ここぞとばかりに目立とうとする周瑜さん。黄蓋も元気そうでなによりです。

 というわけで、キルゾーンから抜け出せたのは劉備だった。
 次回さよなら周瑜。


「またね!」「殿、おっぱいダンス見たいんでしょ?」
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