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応援団やサムライうさぎについて。あとはアニメ三国演義の歪曲感想とか。

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 この放送回は通算五回見たよー。
 もう孔明さまの腹黒ドSっぷりがハンパない。

 曹操と戦うため呉と同盟を結びたい劉備軍。孔明さまはその説得のため呉の地へ派遣された。呉の文官達は曹操に降伏すべしで意見が固まっているので旗色は良くなかった。
 孔明さまに対しても「何をしに来たこの若造め。かわいがってくれるわー」とばかりにニヤニヤ顔。居並ぶ文官達のなかを孔明さまは楚々としたお姿で進み席についた。そこからは孔明さまのターン。初っ端からドS属性を遺憾なく発揮。
 次々と吹っかけられる論戦に、嫌味と皮肉をてんこ盛りにして返しまくる。まさに「ああ言えばこう言う」の返し刀で斬り倒す。しかも質問にビシバシ答えているようで、ことごとく論点をすり替えている。おそらく彼らを説得する気はゼロです。
 まあ狙う本星は孫権ですからね。今は足がかり。
 そして文官のほとんどが撃沈したころ、武将の黄蓋が登場し孔明さまを次ステージへ連れて行ってくれます。テッテレー。

 そこで待つのはお目当ての孫権。でも謁見前に魯粛から一言釘を刺されます。
「孫権さまは曹操と抗戦するか降伏するか、ずっと迷ってんだから曹操の軍勢が百万とか言ったら絶対引くからね。同盟結びたいなら言わないでね。約束だよ!」
 孔明さまは二つ返事で了解し孫権にお目通り叶いました。挨拶もそこそこに孫権は孔明さまに訊ねます。
「曹操ってさあ……軍勢どれぐらいなんだろ」
「えー。知らないの? 百万だってさw」
 案の定ドン引きの孫権。魯粛と黄蓋はポカン顔。そこへ追い打ちをかけるかのように孔明さまは言います。
「だから諦めて降伏しなよ。まあ、ウチはしないけどね! だってさあ、劉備さまは漢王室の正当な末裔なわけ。その王室を我がもの顔で支配する逆賊の曹操なんか許しておけるわけないじゃん? で、そっちは……なんだったっけ?」
 当然孫権は「馬鹿にすんな」と怒って退場していまいます。慌てて後を追いかける黄蓋。魯粛は涼しい顔の孔明さまに「もー。言わないって言ったじゃん!」と泣きそうになる。すると孔明さまは「まあまあ。それより実は曹操に勝つ方法があるんだけど、聞きたくない?」と持ちかけた。それを聞いた魯粛は「マジで?!」とばかりに孫権を連れ戻しました。
 再び相見えた孫権に孔明さまは言います。
「曹操の軍勢は数字の上では遥かに優勢に見えるけど、彼らは出身は北国でしょ。これがどういうことか分かる? あのね、曹操との戦いは水上戦になるわけだけど、北国の彼らは水に慣れてないし泳げない。曹操軍はこんな致命的な欠陥抱えてるんだから負ける気がしなくない?」
 孫権は「うっわ。そういえばそうじゃん!」と素直に感心します。陥落寸前の孫権。孔明さまは仕上げにかかります。
「まあ、今すぐ結論を出せとは言わないよ。そうだ。外交のことなら周瑜に聞けって、先代のお兄様から遺言があったでしょ? だから周瑜に聞いて判断してみたらどうかな?」
 孫権が「じゃあ周瑜を呼び戻さないと。早く早く!」とウキウキウォッチングを決めたところで次ステージへ。テッテレー。
 舌戦も佳境へ突入でございます。

 呼び戻された周瑜は自宅へ帰り、久しぶりに会った別嬪の嫁の顔を見ても浮かない様子。周瑜は降伏か抗戦か決めかねていたのです。そこへあきらかに呉を利用して曹操軍に対抗しようとしている孔明さまがやって来ているものだから、うっとうしいったらありゃあしない。
「オーゥ。ハニー。どいつもこいつも臥龍だのなんだの。もうウンザリさ」
 しかし孫権に呼び戻された手前、孔明さまに会わなくてはならない。そこで朝もはよからお年寄りの黄蓋を叩き起こし「孔明とやらを連れて来て」と魯粛の元へ走らせ言伝を頼む。
 魯粛はいそいそと出かけ、孔明さまと一緒に周瑜と面会します。そこで魯粛は抗戦に気の進まない周瑜を説得します。孔明さまが言った曹操軍攻略法を元に「この戦いイケますよ。曹操軍恐るに足らずですよ!」と息巻く。
 しかし、どこからかクスクス笑う声がする。
「もー。魯粛ちゃん。何それ。自分が何すればいいのか分かってないでしょ。曹操軍とまともに戦って勝てるわけないじゃん」
 笑ったのは孔明さま。またしても魯粛は「えー」のポカン顔。いやいや、曹操軍は水に慣れてないから戦っても勝てるとか言ったの自分やん。え? それとも、あれ夢? 

 ちなみに孔明さまはこの手の、自分で言っておきながら後でひっくり返すという理不尽展開へよく持ち込みます。なんせドSですから。

 呆然としている魯粛を尻目に孔明さまは悠然と述べます。
「いい? 曹操って女好きで有名じゃん。だから船を用意して二喬と呼ばれる絶世の美女を曹操に献上すれば丸く治まるんだって。なんせ二喬をはべらして毎日楽しく送りたいとか言ってるらしいし。そんで、その二喬って呉に住む大喬と小喬っていう姉妹のことらしいじゃん。というわけで、この贈り物作戦で決まり!」
 すると周瑜がいきなりブチ切れます。
「ヘイ! ユーは今なんて言った?」
「だから大喬と小喬を欲しがってる曹操に献上すれば──」
「シーーット! あの色ボケじじいが。ミンチにして豚の餌にしてやるぜ!」
 いきり立つ周瑜を見た孔明さまは驚いて魯粛へ小声で訊ねます。
「さっきまで戦わないって言ってたのに、急にどしたの?」
「地雷踏んじゃったね。その大喬は先代の孫策さまの奥方で、小喬は周瑜の奥方さま。知らなかったの?」
 さすがの孔明さまも急いで周瑜に謝罪しました。
「そうとは知らずに失礼なことを。ごめんちゃい」
 孔明さまは萎縮したのか羽扇で顔を覆ってしまいます。
 駄菓子菓子。
 羽扇の裏で孔明さまはひそかにほくそ笑むのでした。

(計画通り──!)

 孔明さまが二喬を孫策・周瑜の嫁と知らないはずもありません。理路整然とした説得ではなく、わざわざ怒らせて曹操への憎悪を引き出す方法を取るあたり、腹黒ドS男子の本領発揮ですね。
 それにも増して、嫁を愛するがゆえとはいえ周瑜兄さんは煽り耐性ゼロやでえ。いずれこの煽り耐性ゼロの性格が、更なる悲惨な結果へ繋がるのですが、それはもっと先の話。

 こうして周瑜は孫権へ「曹操なんか相手に気弱になるなよベイビー。この俺がついてるじゃないか」と奏上し、孔明さまは呉との同盟に成功したのでした。
 駄菓子菓子。
 周瑜もただの煽り耐性ゼロ男子ではございません。本来は聡明なお方ですから孔明さまの本性を見抜き危機感を覚えます。
「あの性悪猫はいつか呉にとっての脅威となる。その前にケツに火をつけて踊らせてやるぜ」
 忠義、愛惜、疑惑、知謀、奸計。
 それぞれの思惑が入り混じる新たなるステージ。赤壁の戦いの幕が開かれる。テッテレー。
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