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応援団やサムライうさぎについて。あとはアニメ三国演義の歪曲感想とか。

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 冒頭が孔明さまお目覚めシーンから始まるとか、サービスがいいな。しかし残念ながら孔明さまは全裸で寝るタイプではないようです。ガッカリだよ。

 そして魯粛登場。
「おはようさん。周瑜はんが軍議を開きますさかい、孔明はんも参加しておくんなはれ」
「仰せの通りに」
 言葉だけ聞くと従順そうですが、態度と口調はとんでもなくダルそうです。しかし周瑜は朝から元気いっぱいです。
「Hello guys!」
「ハ、ハロー」
「みんな声が小さいな。まあ、いいか。というわけで、今日から三ヶ月分の食料をたくわえて曹操軍との持久戦を始める!」
「そおい!」
 異議を申し立てたのは老将黄蓋。
「曹操軍が長江ついたらすぐに攻撃すりゃあよかったんよ。それをダラダラしおってからに。今さら三ヶ月伸ばしたところでどうすんだ。呉のためにもいさぎよく降伏したほうがええ」
「はあん? そっちこそ今さら何を言ってんだ」
「だいたいおまえムカつくんよ。名家の出だとかエリートだとか秀才だとかイケメンだとか音楽も出来てとか嫁が別嬪とか、なにそれ。チートか。出来過ぎなんよ。言っとくけど、そういう出来過ぎキャラって、記号だらけで逆に没個性なんよ。主人公でもないのに扱いづらいんよ。そんなんだから演義で引き立て役に抜擢されるんよ。ははは。ジイサン愉快愉快」
「おい、結局は個人攻撃じゃないか! 曹操とか呉とか関係なくなってるよ!」
(それを言うならワテかて、正史に比べて演義じゃえらい扱いになってますがな)
 内心でそう思う魯粛の目の前で周瑜はいきり立ちます。
「前から言ってたけど、降伏を口にしたものは斬るって言ってあったよな? このold fartを引き出してたたっ斬れ」
 黄蓋は兵士に外へ連れて行かれてしまいました。甘寧(ヤダかっこいい)が周瑜の前へ飛び出てくると平伏しました。
「たしかにクソジジイではありますが、クソジジイでも長い間孫家に仕えた功労者ですよ。クソジジイですけど、どうかお許しください」
「その声は甘寧! 聞こえとるぞー! 誰がクソジジイじゃ!」
 遠くで黄蓋が叫んだとか叫ばないとか。
 甘寧に続いて軍議の参加者達がそろって周瑜に頭を下げ、黄蓋を許してくれるよう懇願します。
 魯粛も平伏しながら、孔明さまに視線を送ります。
 チラッ
(孔明はんも、なんか言うたって。頼んます……!)

 フンフーン。劉備さま今頃何してるかなぁ。

 魯粛(ガン無視とか!)
 唖然とする魯粛を置いて事態は進展します。みんなに刑の軽減を懇願された周瑜は「じゃあ棒叩き百回ね」と殺すことは踏みとどまってくれました。

 刑罰のため上半身裸にむかれた黄蓋。
 ジジイのくせにイイ体しおってからに……イイヨイイヨー!

 ひとつ叩くたびに黄蓋のうめき声が響きます。

「アッーー!」

 棒叩きといえども、激しく打ちのめすわけですから大変な苦痛です。耐えきれなくなった魯粛。(※性的な意味ではありません)
「周瑜はん。黄蓋はんはお年寄りでっせ。百回もどついたら死んでまうわ。堪忍したってください」
 周囲の人たちも、お願いしますと頭を下げる。
「うーん。そんなに言うなら、あと五十回は俺の預かりだ」
 黄蓋の棒叩きは、なんとか半分で済みました。ですが五十回も打ちのめされたご老体はボロボロです。抱きかかえられるようにして黄蓋は治療に運ばれました。

 場面はかわって川のほとり。
 孔明さまはひとりででたたずんでいます。
 ああ、お美しい。ただ立っているだけでも絵になりますね。そこへあらわれたのは魯粛。
「孔明はん! 知らん顔して、ひどいやないですか。なんで黄蓋はんに助け舟を出してくれへんのです」
「ぼく、朝が弱いの。どうも眠くってね」
「はあ?」
「うそうそ。あれはぼくが口を出す場面じゃないでしょ」
「どういうことですのん」
「周瑜は打ちたがって、黄蓋は打たれたがってたんだもん」
「なんちゅうこっちゃ。あのおふたりはそういう関係やったんか! ど、どうりでエエ声で鳴いとったはずや。ほんなら止めんほうがよかったんやろか。はあ。世の中にはそういう趣味もあるとは知っとったけど、ようもうマァ朝っぱらから堂々と……ふたりきりの時にしはったらええのに。いや待てよ。人に見られるっちゅうのが、またエエんやろか」
「魯粛ちゃん、落ち着いて」
「しっかし黄蓋はんも、あれ命がけでっしゃろ。下手したら死んでまうやん。そこまでして快楽を追い求めるいうのも、分からんなあ。そんなにエエもんなんやろか」
「落ち着けって言ってんだろ、欲情魔」
「今、なんと?」
「ん? なんにも言ってないよ」
「おかしいな。欲情魔とか聞こえたような」
「気のせいじゃない? ねえ、魯粛ちゃん。あんなことした黄蓋の気持ちが分からないの?」
「マゾやさかい、いたぶられたかったんとちゃいますのん」
「もう、その発想から離れてよ。黄蓋が孫権を思う忠誠心には、ぼくも心を打たれ──」
「打たれた……! 孔明はんも打たれたんでっか! ど、どないな感じでした?」
「いい加減にしないと殴るよ」
「殴る?! あっちの世界に興味がないわけやおまへんけど、まだ心の準備が……」
「おとなしくお話が聞けないなら、遺書の準備でもしよっか?」
「へえ、聞きますさかいに。今回の一件、実際はどういうことやったんです?」
「あのね」
 孔明さまは小声で魯粛に話してから、いつも通りに注意します。
「このことは周瑜に言っちゃだめだからね」
「任せておくんはなれ」
「あと、これは個人的な話だけど、ぼくは肉体的に痛めつける行為は好きじゃないね」
「暴力は好かんいうことですね」
「んー。そういった刹那的なやり方は嫌だってこと。合意の上の肉体的な行為は加虐嗜好者が主導権を握っていると思われがちだけど、実は違うんだよ。被虐嗜好者のほうだよ。加虐者が奉仕して、被虐者はひたすら享受するわけ。しかも被虐者が状況設定嗜好だったら、もう加虐者に人格はいらないじゃない。もし、ぼくが加虐嗜好者の立場だとすれば悲しいね。孤独だよ。彼らの肥大した自己愛に取り込まれてしまうなんて、むなしさすら覚えるよ。そんなのじゃなくて繋がりが欲しいのにね。ひとつになることと、繋がることは違うでしょう。そして繋がるためには刹那的じゃいけないんだ。体の傷はいずれ癒えてしまうからね」
「よう分かりまへんけど……」
「要はね、ぼくは周瑜が好きってことさ。周瑜がぼくを殺したいのと一緒でね」
「あんだけおちょくり回しといて、よう言いますな」
「うふふ。そのうち仕上げにかかるよ。ぼくはとても彼が気に入ってるからね。やっぱり外の世界は楽しいや。田舎に引きこもってちゃ、いろんな人に会えないもんね。さて明日のお天気はどうなるかな」
(この人……中二病や! しかも相当こじらしてはるで)

 そして、夜。
 周瑜が魯粛を呼び出しました。
「ユーは黄蓋が棒打ちされたあと孔明に会ったかい?」
「はあ、会いましたけど」
「ふうん。で、なんて言ってた?」
「(もう素直に言わないもんね)周瑜はんは薄情や言うてましたで」
 周瑜は笑い飛ばします。
「それは作り話だろ? 曹操は騙せても孔明は騙せない。やっぱりなー今のうちに殺しておきたいな」
「なんべん言わすんですか。今は曹操のほうに集中しなはれ」
「オーゥ。手厳しいな。曹操は火攻めでバーベキューにしてやろうと決めたけど、効率よく船団をウェルダンにする方法はないものかね。一艘に火をつけたところで、他の船に逃げられたのでは意味がない」
「それなら龐統に働いてもらうのは、どうでっしゃろ。孔明はんは臥龍、龐統はんは鳳雛と並び称される逸材でっせ。きっとええ策を教えてくれるはずや」
「龐統か。good looking guyじゃないだろ、彼は。重用するのはなあ」
「そんなん言うたらあきまへん。……周瑜はん。ちなみに聞きますけど、ワテと仲ようしてくれはるのは、アレでっか? ワテもそこそこ見た目がエエいうわけですか。ふふ」
「The hell you say!」
「は?」
「魯粛には恩義があるからな! 今でも感謝しているぞ」
「……そうでっか。それはそうと黄蓋はんの偽投降作戦はうまくいっとるんですか。黄蓋はんを棒打ちにしはったのは、それのお膳立てなんでっしゃろ。黄蓋はんが普通に曹操へ投降を申し出ても、あのお人も疑り深いし何より賢い。偽りの投降だとすぐに気付きます。せやから黄蓋はんが周瑜はんを恨んではると、周囲に思い込ませ、曹操にも信じ込ませる。そのためにあの公開SMショー……やのうて、棒打ちしはったんでしょ。苦肉の計でんな。そして投降すると見せかけて、黄蓋はんは曹操の船団に火を放つ」
「と、孔明に聞いたのか」
「ちゃ、ちゃいます! ワテにもそれぐらい分かるます」
「分かるます?」
「すんまへん。教えてもらいましてん。それまでは、てっきり周瑜はんが前後の見境のない、ただのキレやすい若者やと思うとりました。高スペックを鼻にかけたイケすかない野郎だとか、所詮孔明はんの引き立て役ご苦労様とか、なんかアイツおったらやりにくいなってみんな言ってるとか、この前の飲み会も二次会あるの黙って一旦解散したフリしてその後みんな集まろうぜとか、そんなふうに」
「おい、何をここぞとばかりに個人攻撃してんだ! ていうかマジで二次会あったのか?」
「さて、ワテは龐統はんに話つけに行きますさかい失礼しまっさ」
「待て! 二次会……」

 それから。
 龐統が請われるかたちで曹操のもとを訪れます。龐統は北方出身で船に慣れていない曹操軍の兵士達が船酔いに悩まれていると見抜き、船を鎖でしっかり繋ぎ合わせる連環の計を教えます。これなら陸地にいるのと同じように活動できるはずだと言われ、曹操は「やるじゃん!」と龐統を褒め称えました。
 しかし曹操の側近は「これじゃあ、火攻めにあったとき逃げ遅れますよ」と心配します。それに対して曹操は「心配なーいーーーさーーーーー!」とごきげんライオンキングです。おまけに黄蓋の投降もすっかり信じ込んでいるのです。
 かくして曹操軍の船団はひとつの大きな要塞のようになり、バーベキュー大会の準備は万端。
「しめしめ」
 使命を果たした龐統が川を渡って帰ろうとした、その時──テッテレー。
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